【書評】トライブ

2013年5月27日月曜日

書評

t f B! P L


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はじめに


本書のすべてをこの写真が表している、と言っても過言ではないかと思います。

この本でいう「トライブ」とは、何らかの共通の興味を持ち、互いにコミュニケーションの手段が「ある」ことでつながっている集団を指します。
過去においては地域ごとの集合体が「トライブ(部族)」であり、その地域の安定的な発展と民族の拡大を目的にしていたことから、トライブ=部族、という考え方が強くなっていたのでしよう。

ー訳者前書きより

ワークシフトでも書かれていたように、今後の働き方は、今までのように会社に行って組織のヒエラルキーの中を上に昇る事を目的としたような働き方ではなく、個人が世界中の人とつながりながら、場合によって誰もがリーダーとなり共通の目的のために協力しあい、目的が達成されれば解散する。
そんな働き方が普通になる。

そんなお話しです。


感銘を受けた部分


伝えたい事は、以上なのですが、その中でも感銘を受けた箇所を引用してみます。

伝説のロックバンド「グレイトフル・デッド」は、音楽業界のルールを破り、そのあり方までも永遠に変えてしまった。
たとえ音楽業界で働いていなくても、彼らの曲を知らなくても、「ザ・デッド」の影響はあらゆる業界に、もちろん、あなたの業界にも及んでいる。
彼らの活動をよく知れば、トライブについてもよくわかるはずだ。
「ザ・デッド」はこれまで1億ドル以上を稼ぎ出した。
ところが、レコードはあまり売れなかった。
(全米トップ40入りしたアルバムはわずか1枚だけ)。
彼らはトライブを惹きつけ、トライブを率いることで成功した。
毎年コンサートツアーを行って大勢のファンを動員し、莫大なコンサート収益を上げるという、レコードセールスよりもライブ演奏を基盤としたビジネスモデルを築いたのだ。
コンサートに詰めかけたファンに対し、演奏を自由に録音し、そのテープを自由に交換することまで許可したのである。

グレイトフル・デッドには「デッドへッズ」と呼ばれる熱狂的なファンがいる。
ファンの1人が「2・14・70」と言ったとする。
秘密の暗号のようなこの数字は、1970年2月14日、ニューヨークのライブハウスで行われたライブと、その音源を録音したテープを指している。
この数字に笑顔やハグ、握手で答えるかどうかで自分が「誰か」が決まる。トライブのメンバーであることは、「自分が誰か」を定義することなのだ。


恥かしながら、最近の音楽業界の低迷を受けて盛んに言われている、レコードはライブにきてもらうために無料でも配布して収益はライブであげるという収益モデルの先駆者がグレイトフル・デッドだった事を知りませんでした。

僕にとってのグレイトフル・デッドは、音楽よりも先にクマのぬいぐるみだったくらいなので。

すごいですね。
グレイトフル・デッドは、1960年代から活動しているはずなので、半世紀も前に、新しいモデルを確立してしまった事になります。


立ち往生するトライブもいる。
彼らは「現状に甘んじるトライブ」だ。
権威や体制に疑問を投げかける、勇気あるメンバーの声を掻き消してしまう。
大きな慈善団体、小さなサークル経営不振の組織、彼らは身動きの取れなくなったトライブだ。
大きな価値も創造しないし、言ってみれば退屈な存在だ。
だから、私はこの手のトライブにあまり関心がない。
とはいうものの、行き詰まったトライブも、いつか自分たちが「ムーブメントになる日」を待ち望んでいる。
活力を吹き込まれ、生まれ変わる時を待っているのだ。


僕としては、島国日本的人間で、新しい事にも常に慎重で石橋を叩いて壊すくらいの人間なので、どちらかというとすぐにそうだ!そうだ!と言いながらムーブメントに参加できるタイプではありません。

ですので、そんな人間に興味はない、と言われてしまうと辛いのですが、そこにこそ本質があるような気がして仕方がありません。

大多数の人は、それが正しいとわかっていても動けないのではないでしょうか。

そして、そういう人たちが動いた瞬間こそがキャズムを超えると言う現象のような気がします。

僕ら彼らが動く瞬間には理屈だけでなく文化とも言うべき流れがあるように思います。

動きが遅いからダメと言うわけではなく、時代の流れを認識して意識しつつ自分なりのタイミングで乗るのか乗らないのか判断すれば良いのではないか、と思います。

最後に


僕が刺激を受けて読んでみようと思う本がそうだからなのか、最近は特に、ワークシフトが加速しているように思います。

もう安定は、ない。

と言う事を認識しつつ、どのような生き方を選ぶのか判断する時期にきているのかもしれません。

以上です。


補足:本文からの引用はこちらで紹介したアプリで行なっています。


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