はじめに
2010年の春に放送されたドラマ。2013年に放送されたWomanと同じスタッフにより、制作されている。
小学生教師、奈緒(松雪泰子さん)が、虐待を受けている生徒、怜南(芦田愛菜さん)を1話目からいきなり誘拐してしまうと言う驚きの展開で始まります。
虐待を受けた子供の心の傷だけでなく、それを第三者として傍観するしかないものの心の傷、虐待するに至ってしまった母親の心の傷、いろいろな角度から母親たちの姿を描いて、母とはなんなのか?を問いかけてきます。
虐待をしていた母親役に尾野真千子さん。
今見ると、Womanはこの尾野真千子さん役の母親が虐待するようにならず、周りの助けを借りながら生きていく姿を描いた、虐待母の別の未来を描いた作品に思えます。
5人の母親の姿
虐待を受けていた生徒の母親となり、逃亡する事を決めた奈緒(松雪泰子さん)奈緒の育ての親(高畑淳子さん)
奈緒の本当の母親(田中裕子さん)
子供を身ごもった奈緒の妹(酒井若菜さん)
虐待をしてしまった怜南の母親(尾野真千子さん)
5人がそれぞれの価値観で母親の姿を描きます。
高畑淳子さんが言う「だから、女だらけの家族は嫌なのよ。飾りでもいいから父親は必要よ。」
酒井若菜さんが言う「母親が見なきゃいけないのは、世間の目じゃなくて子供の目でしょ?」
田中裕子さんが言う「人生で一日だけ素晴らしい日があればそれで良い」
松雪泰子さんが言う「子供を守るというのは、逃げる事じゃない。ご飯を食べて遊んで、そういう事だ。」
尾野真千子さんが言う「怜南は、ママの事が大好きだから。」
個人的には、田中裕子さんに家を提供していたおじいさんが言う言葉が妙に心に響きました。
「世の中には、男と女と、そして、母親という性がある」
父親は死ぬべきではない
Womanでも、このMotherでも共通しているテーマがあります。それは、父親は、死ぬべきではない。と言う事。
あんまり家に帰らなかったり、稼ぎが少なかったり、家事の手伝いをしなかったり、たいして役に立ってない父親であったとしても、父親は死なずに、そこにいてダメパパでいること。
もちろん、どうしようもない事情がありいられない場合や、いるべきでない事はあるのですが。
元々、母親は強くひとりでも子供は育てられるのかもしれない。それでも父親がいること。
Womanで、満島ひかりさんが
「子供を育てるのは、全然大変じゃない。それをひとりでやるのが大変なだけ。」
と言う言葉があります。
本当にひとりで子供を育てると言うのは、想像しただけで大変です。
父親、母親、そして誰かの子供としたそれぞれの立場で泣けるドラマ
個人的には、尾野真千子さんが子供と仲良しだった頃の回想シーンが一番泣けました。
虐待をしてしまっている母親でも、最初からダメだったわけではなく、子供を真面目に愛していてあまりの大変さにおかしくなっていく。
母親にしても、その子供にしてもあまりにも悲しい現実に涙が止まりません。
最後に
実はリアルタイムでは見ていなかったのですが、本当に良いドラマです。まだ見てない方は、レンタルも出来ますので、見てみてください。
以上です。