【書評】こんなに早く現実になっている事にびっくりな『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』

2013年8月15日木曜日

書評

t f B! P L


はじめに

かなり有名な本なので、読んだ方も多いのではないでしょうか。

でも今、2013/8現在に読むと、あまりにも本で書いている事がこんなにも早く現実になっている事に驚きます。

この本の初版が日本で出されたのが2012/10。
書いている頃が2010年または2011年だとしても、まだまだその「影」くらいしか見えていなかったはずなのに、これだけ的確に未来をみている事にびっくりします。

でも著者の著作を見て納得。

著者のクリスアンダーソンさんは、あの「ロングテール」や「フリー」を書いた人だそう。

今読むと、なんで熱く語ってるの?現実そうじゃん?と思うと思いますが、これが3年前に書かれていたと思うと驚きの連続です。




僕らはみんなデザイナー


3Dプリンタを知っていますか?
この半年くらいでIT界隈で働いている人以外でも(うちの奥さんでもテレビを通じて知っているくらいなので)知っている人も多くなったのではないでしょうか?

1年くらい前までは、まだその存在自体を知らない事のほうが普通でした。

でもこれは、確実に人々の生活を変えてしまう次世代の産業革命ツールになりうる、その事を著者は以外のように言っています。


つまり、いまの3Dプリンタは、二五年前にジョブズのマッキントッシュとレーザーライターがいた場所にいる。

初期のレーザープリンターと同じように、現在の3Dプリンタもまだ高価で、使いにくく、万人向けではない。

なにがキラーアプリになるかも、見当がつかない。

それでも、これがレーザープリンターよりも短期間のうちに、より良く、より安くなることだけは確かだ。

3Dプリンタが先代の2Dツール、つまりすでに家庭にあるインクジェットプリンタと、機械的にも電子的にもあらゆる基本的なテクノロジーを共有しているからだ。

根本的に違うのは、使用する液体(インクではなく、液状プラスチック)と高さを出すためのモーターだけだ。

(中略)



だから、メイカームーブメントにも同じことがいえる。

いま、デスクトップに並びはじめたエ業用の高度なツールの可能性に、多くの人が心を奪われている。

もの作りに関する耳慣れない言語やなじみのないテクノロジーは、ギークを惹きつけて離さない。

彼らは夢中になってこの奇妙な新しい世界を探求している。
しかし、それはまもなく表舞台に現れる現象の、最初の波にすぎない。

これらのツールがインクジェットプリンタ並みに普及し、だれにでも使えるようになる日は、それほど遠くないはずだ。

そして、歴史が繰り返すなら、それはひと世代前のマイクロプロセッサーよりも短期間で、世界を変えることになるだろう。

いまや、僕らはみんなデザイナーだ。
だれでも上手にデザインできる時代がやってきたのだ。


誰でも簡単にデザイナーになれるわけではない事は、これだけ簡単にパソコンを使ってデザイン出来る時代でもロクな作品も作れない僕のような人間が証明してしまってはいるのですが、それでも、例えば湯呑を作るような行為がもっともっと身近な行為になる事は、用意に想像できます。


個人が簡単に「発明家」ではなく、「起業家」になれる時代


3Dプリンタが普及する事で、ついにオンラインの利便性をより具体的なオフラインの豊かさにつなげる時代がやってきた。

オンラインの仕事をしている人ならば誰もが夢見る事。

それは、実世界、現実の生活にどうやったら自分たちの仕事が貢献し、豊かな世界を作れるか。

今まさにその時代の変化の最中ですね。

著者は、自身の祖父が発明したけど、その利権を大企業に買わせる事しか、できなかった昔と比較してこの変化を以外のように書いています。

デザインをいよいよ製品化するときには、大企業に頼み込んで自分の特許をライセンスしても
らう必要はない。

自分で製品を作れるからだ。

どんなものでも数十個から数万個の単位で作つてくれる会社にデザインのファイルを送るだけでいい。

完成品を顧客に直接送ってもらうこともできる。

デジタルなデザインファイルならロボットが製造できるため、設備費用を九割以上も節約できる。

ウェブサイトを立ち上げれば、流通業者を探すまでもなく、グーグル検索を通して利用者がやってくる。
セールスマンは必要ない。

なにが言いたいかというと、祖父は、ただの発明家ではなく起業家になっていたはずだという
ことだ。

それが本書のテーマでもある。

ここ20年間のオンラインの歴史は、過去に例のないイノベーションと起業の爆発的な増加の歴史だ。

いま、それが現実世界で起きるときがきた。

しかも、その影響は、オンラインよりもはるかに大きい。



オンラインを通して現実世界がより豊かに変わっていく。
考えただけでドキドキしてきます。

オンラインは見たくもなかった人の闇を映し出してしまう事もありますが、間違いなく、今までスポットライトが当たらなかった一個人にスポットライトを当て始めている。

「良い事」「悪い事」が相互に絡み合いながらどんどん豊かな世界になるといいな、と思います。

最後に

非常に内容が濃く、分厚い本です。

いきなり全部読むのは結構大変かもしれません。

でも、3Dプリンタが世界を変えるかも?とは思いつつ、何故そんなにみんなが興奮しているのか理解できないという人は、一読する事をオススメします。

以上です。



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