2013年8月1日発行なので、ほぼ今現在の新聞というメディアを軸とした本で、新聞のなかの人が新聞というメディアをどう捉えているか良くわかります。
比較的薄手の本なので、会社の行き帰り4時間くらいで読めます。
最近の本ですが、僕の街の図書館には貸し出しがありましたので、下記リンクの図書館をクリックしていただき、お近くの図書館にあるか確認していただければと思います。
著者は、1979年生まれ!
若い。。最近、すごい人がどんどん年下になります。プロフィールによれば
とあります。1979年福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。
(中略)
2012年11月、「東洋経済オンライン」編集長に就任。リニューアルから4カ月で5301万ぺージビューを記録し、同サイトをビジネス雑誌系サイトNo1に導く。
一度新聞社で働いて、休職してアメリカで修士号をとって、復職して、東洋経済の雑誌を担当してウェブ担当になった。
という経歴の持ち主。
恐ろしいのは、自分が最も自分のことを知らないということ。
著者も繰り返し言っているように、新聞、雑誌業界は大変化を起こしています。
一刻も早くウェブ時代の新しい「稼ぎ方」を見いださないと、メディア業界が焼け野原になるからです。
実際日本に先んじて、ウェブの大波に襲われた米国では、経営危機に陥るメディア企業が続出。
リストラが吹き荒れ、過去数年間に、雇用者数が3割も減ってしまいました。
雑誌は能動的に買うと言う行為が発生するために、急激に売り上げが落ちている。
しかしながら、日本の新聞は、受動的に受け取る仕組みを構築したために、まだそれほど売り上げが落ちていないのだそう。
一度購読してしまうと、辞めるのにも労力いりますしね。
そんな状況もあり、新聞社では未だに紙の媒体がエリートでウェブはサブのような扱いで、新しいビジネスモデルを作りあげようと言う動きがほとんどない。
しかし、僕らの世代で新聞をとっている人なんてほとんど聞いた事がない。
理由は明快で、買う価値がないから。
あと、20年もすればそういう人たちばかりの世界に日本はなります。
なかの人には、未だに新聞や雑誌はコンテンツ力があると思っている人も多いようなのですが、もうそういう時代ではないですよね。
新聞や雑誌がコンテンツ力があるのではなく、コンテンツ力がある個人がいるだけです。
これからの時代は、本当にコンテンツ力があるのなら、会社ではなく個人にお金が流れる世の中にどんどんなっていきます。
我々は、○○(会社名や役職)だから。
それは、見ている側からしたら本当にどうでもいい事です。
価値は受け取る側が決めるのであって、発信する側が決めるのではない。
本当に全く関係のない業界の話しだから辛辣に言えますが、省みて自分がやっている事も全く同じ事が言えます。
中にいると言うのは、本当にいろんな事が見えなくなります。
最後に
アメリカでは、こうだから日本ではこうなる。そういう話しをすると、かぶれていると言う事を言われる事があります。
さすがにウェブ業界に身をおいてからはありませんが、旧来の日本企業にいた頃は良くありました。
批判をする事は誰にでもできます。
でも、そこから何かを生み出すのは、やった人間にしかわからない本当の苦しみがあります。
別の業界の別な話しとしてではなく、自分の事として本書を読んだとき、著者の苦しみがわかる気がします。
以上です。