はじめに
生田斗真さんの演技が凄すぎると言う前評判を聞いて、生田斗真さん演じる脳男だけが立ち回る映画かと思っていたら、全くそんな事はなかったです。かなり、バイオレンスな映画ですが、観終わったばかりの感想として、「悲しすぎる」と言う印象が強いです。
そして、出ている俳優さんたちが上手過ぎる。
生田斗真さんは、もちろん前評判通り難しい役をめちゃくちゃ上手に演じていますし、江口洋介さん、松雪泰子さん、そしてなにより、二階堂ふみさんの演技が素晴らしすぎます。
ストーリー
無差別に行われる爆弾テロ。松雪泰子さん演じる精神科医(鷲谷真梨子)が帰宅途中に乗り遅れたバスが目の前で爆破された。
テロ犯を追う茶屋刑事(江口洋介さん)は、ついに爆弾テロ犯のアジトを突き止めるが、建物中に入ろうとしたところ爆破に巻き込まれてしまう。
建物の中に入ると、そこには鈴木一郎と名乗る男だけが立っていた。
茶屋は爆弾テロ犯として、鈴木一郎を逮捕するが、異常な犯行の精神鑑定をするため精神科医の鷲谷真梨子に鑑定を依頼する。
感情もなく、痛みも感じない鈴木一郎に興味を持った鷲谷真梨子は、鈴木一郎の過去を探る。
徐々に明らかになる鈴木一郎「脳男」の過去と、真犯人緑川(二階堂 ふみさん)。
一方、鷲谷真梨子は過去に弟を無惨に殺された事がありその犯行の少年の精神科医も勤めていた。
少年は少年院から出所するが。
宮崎あおいさんにそっくりな二階堂 ふみさん
womanの妹役としても出演していた、二階堂 ふみさんですが、声も顔も演技も昔の宮崎あおいさんにそっくりで、えっ!宮崎あおいさんじゃないの?と最初思ってしまいます。
挑戦的で難しい役柄を本当に見事に演じています。
ユリイカや、害虫のころの宮崎あおいさんのような鋭い演技を感じます。
精神科医なんて
昔、よく読んでいた心理学の本に書いてあったのですが、心理学を勉強しようと思う人間は、そもそも自分自身に問題があるから勉強するのであって、心理学を教えている人間が心理学的にまともなはずがない、というような事を日本の有名な心理学の先生がおっしゃってました。とても、辛辣な意見ですが、とても真摯な意見でもあるように思います。
本作品の精神科医、鷲谷真梨子も弟の惨殺、それを受けた母親の極度の鬱病。弟を殺した犯人の精神科医担当、とたくさんの問題を抱えて、自分自身が精神的に壊れてしまいそうな状況の中で、仕事として精神科医を営んでいます。
「脳男」の話しだけであれば、へぇーそんな人いるんだぁ、となってしまいがちな話しに、リアリティと生きることの、悲しさを感じさせて作品の深みを出してくれています。
最後に
小さなお子さんがいらっしゃる場合には、お子さんが寝てから見てください。かなりバイオレンスで、ちょっと子供には良くないです。
でも、アクションとバイオレンス以上に、本当に悲しく生きる事を考えさせられます。
以上です。