【書評】スターバックスCEОだった私が社員に贈り続けた31の言葉

2013年6月6日木曜日

書評

t f B! P L


はじめに


あれ?英語を翻訳したわりに読みやすい?とおもったら、日本人が日本語で書いてました。

著者は、岩田松雄(いわたまつお)さん。

経歴欄によれば、

元スターバックスコーヒージャパンCEO。早稲田大学ビジネススクール、グロービス・マネジメント・スクール講師。
1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車に入社。生産、品質、購買、セールスマンから財務に至るまで幅広く経験し、UCLAアンダーソンスクールに留学。
その後、外資系コンサルティング会社、日本コカ・コーラ役員を経て、ゲーム会社のアト
ラスの代表取締役社長として、3期連続赤字企業をターンアラウンド。
タカラ常務取締役を経てイオンフォレスト(ザ。ボディシヨップ)の代表取締役社長に就任。店舗数を107店舗から175店舗に拡大、売り上げを67億円から約140億円に拡大させる。
その後スターバックスコーヒージャパンのCEOとして「100年後も光り輝くブランド」を掲げ、2010年度には過去最高売り上げ1016億円を達成。

との事。
ちなみに、スターバックスには、2009年から2011年の二年間在籍。

先日のサッカー日本代表がブラジルワールドカップ出場を決めた試合で、本田圭佑選手の意思の強さと目標の高さが話題になりました。

本田△!本田圭佑選手が小学校6年生の時に書いた卒業文集が夢と希望で満ち溢れていると話題に! | gori.me


本書でも、社長を目指して仕事をするのと、課長を目指して仕事をするのでは見えてくる世界が違うと言う内容があります。

目標とするものの高さと、日々の過ごし方。
どんな世界であっても、出来る出来ないではなく、このふたつが抜群に高いからこそ、飛び抜けた人と言うのは出来るのかもしれません。

社会人二年目、三年目くらいに『仕事は楽しいかね?』とあわせて読んでおきたかった本です。



内容

「好き」「得意」「人のためになる」
この3つか重なる分野を探せ

本書は、著者がビジョンと呼ぶ、この言葉を中心に語られます。

そして、この「ビジョン」は、すぐに見つからなくても、いつまでも探し続け、見つかったと思っても、そこでとどまるな。
ともいいます。

常に探し続け、常に進化し続けるのがビジョン。
ここで満足と思ってしまった時から、衰退がはじまる。

日々成長する事、成長しようとする事の大切さを、以下のように語っています。

自ら刃を研ぐ電気カミソリたれ

電気カミソリと安全カミソリとは、刃が研がれていく仕組みが大きく違うことを知っていますか。
電気カミソリは使えば使うほど自らの刃が研がれていきます。
一方、安全カミソリは刃こぼれをするとすぐに捨てられてしまう。
これは人材にもいえることです。
大企業に就職すれば安泰だといわれた時代がありました。
今は逆に大企業に勤めているほうがリスクなのに、そのことに気がついていないサラリーマンが多いと思います。
組織が大きくなればなるほど、仕事は細分化されていきます。
そうなると個人に任される仕事はほぼルーティンワークに等しく、よほど心して自己研磨しなければ、目の前の仕事をこなす毎日になってしまいます。
これでは刃が研がれるどころか、刺激が少ないためにむしろすり減つていく。
大企業に勤める多くのサラリーマンはこのリスクに気がついていないのです。

一方、ベンチャーや中小企業では一人で何役もこなさなければ仕事が回りません。
ここから仕事をこなすことで刃が研がれていく電気カミソリが生まれるのです。
刃こぼれした安全カミソリと自ら刃を研ぐ電気カミソリ。どちらを世の中は必要としているか。
安全カミソリは簡単に使い捨てられてしまいます。
そうならないためにも、日々の自己研磨はとても大切です。
どこででも通用するポータブルなスキルを持つ者だけが、求められる時代。
それはハタ君にとって「厳しい時代」ですか?
それとも「待ちに待った時代」でしょうか。


人が一生に経験出来る仕事の数と言うのは、どのくらいなのでしょうか?

おそらくは、誰ひとりとして、日本の中にある仕事ですら、全ては経験出来ないですよね。

それでも、数少ない自分の経験から、上記の引用は、非常に同感です。

大企業が悪い、ベンチャーが良い。と言う事ではなく、求められる仕事の質と量が圧倒的に違う。
それは、紛れもない事実。

思えば、大企業からベンチャーに移って、僕の「それは、俺の仕事じゃない。」と言うような態度に本気で叱って、「自分で考えてやれ」と言ってくれた上司に本当に感謝してもしきれません。

大企業にいると、細かい事、例えば取引先との契約書の送付方法や、収入印紙の値段なんてほとんどの方が知らなくても過ごせます。

でも、当然ながら、収入印紙だってタダではなく、もし書類にミスがあれば、そのままコストです。

場合によっては、収入印紙を貼る必要のない取引方法を検討する必要もあります。

そういう経験がなく、そういう環境に長くいればいるだけ、収入印紙に頭を悩ませる事を仕事だと思えなくなってしまいます。

でも、ご自身にその経験がない、と言うのは、誰かがそれをやってくれているだけで、やらなくても良い、と言うものではありません。

2009年に亡くなったアメリカを代表する成功哲学者のジム・ローンは、
「もし君が自ら人生計画の空白を埋めないならば、おそらく君は他の誰かの人生計画に組み込まれてしまうことになるだろう」
という言葉を遺しました。

何かの本でも読みましたが、良い言葉です。

「また、面倒な事が。」と言う事はよくある事ですが、もし、人からふられる面倒に巻き込まれたくないなら、自らやりたい事で人を巻き込むしかない。
と思います。

巻き込んでしまえば、その人は面倒な事考える暇もなくなりますし。

最後に


本書は、以下の4つの大項目について、それぞれアドバイスと言う形で語られます。
  1. 自分の進む道を決める
  2. 部下・後輩を育てる
  3. 挫折を糧に強くなる
  4. 自分を高める

さて、仕事頑張るぞ!でも何からやろう。
と迷いはじめた方や、なんとなく毎日同じ事の繰り返しで成長している気がしないと感じる方は、一読してみては、いかがでしょうか。

以上です。




補足:本文からの引用はこちらで紹介したアプリで行なっています。


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